【薬剤師・ケアマネが解説】高齢の親が夜中に何度も起きる原因と、家族ができる7つの対処法

この記事でわかること

  • 親が夜中に何度も起きる主な6つの原因
  • 家族が今日から試せる対処法
  • 「お薬の影響」など見落としがちな要因
夜の寝室で穏やかに眠る高齢の親を家族がそっと見守る様子

「夜中に何度もトイレやベッドから起き上がる親に付き添って、自分もまとまって眠れない」——そんな毎日を送っていませんか。

夜の睡眠が細切れになると、ご本人はもちろん、介護するご家族の心と体も少しずつすり減っていきます。はじめまして、薬剤師とケアマネジャーの資格を持つ「ノンケミカル薬剤師」です。現場では「親が夜眠ってくれない」というご相談を本当に多くいただきます。この記事では、高齢の方が夜間に何度も起きてしまう主な原因と、ご家庭で今日から試せる対処法を、できるだけやさしく整理しました。

なぜ高齢の親は夜中に何度も起きるのか(主な6つの原因)

夜間に目が覚める背景には、いくつかの原因が重なっていることがほとんどです。まずは「どれが当てはまりそうか」を知ることが、対処の第一歩になります。

① 加齢による睡眠の変化:年齢とともに眠りは浅く短くなり、早寝早起きになりがちです。これ自体は自然な変化です。

② 夜間頻尿:トイレで目が覚める回数が増えます。水分の摂り方や病気が関わることもあります。

③ 体の痛み・かゆみ・不快感:腰や関節の痛み、皮膚の乾燥、寝具の合わなさなどが、目覚めの引き金になります。

④ 不安・寂しさ・生活リズムの乱れ:日中の活動が少ないと昼夜のメリハリが薄れ、夜に目が冴えてしまいます。

⑤ 認知症による昼夜逆転・夜間のせん妄:夕方から夜に落ち着かなくなる「夕暮れ症候群」が見られることもあります。

⑥ お薬の影響:服用している薬が、眠りや目覚めに影響していることがあります(次で詳しく説明します)。

薬剤師の視点:飲んでいる薬が睡眠に影響していることも

一部のお薬は、副作用として不眠や日中の眠気、頻尿、足のむずむず感などを引き起こし、結果として夜間の目覚めにつながることがあります。ただし、自己判断で薬を減らしたり中止したりするのは危険です。「最近眠りが変わった」と感じたら、お薬手帳を持って、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみてください。

今日からできる 家族の対処法7つ

特別な道具がなくても、生活の工夫で夜の眠りが整うことは多くあります。できそうなものから一つずつ試してみてください。

① 朝は光を浴びて生活リズムを整える:起きたらカーテンを開け、朝日を浴びてもらいましょう。体内時計が整い、夜の眠気につながります。

② 日中の活動や軽い運動を増やす:散歩や体操、日光浴など、無理のない範囲で体を動かすと、夜に深く眠りやすくなります。

③ 昼寝は短めに:昼寝は15〜20分ほど、午後の早い時間までに。長すぎる昼寝は夜の睡眠を妨げます。

④ 夕方以降の飲み物を工夫する:カフェインを控え、水分は日中に多め・夜は控えめにすると、夜間のトイレを減らしやすくなります(水分制限は主治医の指示を優先してください)。

⑤ 寝室の環境を整える:室温・湿度を快適に保ち、暗く静かな空間に。足元をやさしく照らす小さな明かりが安心です。

⑥ 痛みや不快感をケアする:体に合った寝具や、寝返り・体位の工夫で、痛みによる目覚めを減らせることがあります。

⑦ 夜間の安全と見守りを確保する:起き上がったときに転ばない導線づくりや、離れていても様子がわかる見守りの工夫で、ご家族の安心と睡眠も守れます。

家族が限界のときは「預ける」選択も

毎晩の対応が続くと、介護するご家族が睡眠不足で倒れてしまいかねません。そんなときは、数日間だけ施設に宿泊してもらう「ショートステイ」や、介護者が休息をとるための「レスパイトケア」という仕組みがあります。「親を預けるなんて」と罪悪感を持つ方も多いのですが、介護を長く続けるために、休むことはとても大切です。担当のケアマネジャーに相談すれば、利用の仕方を一緒に考えてもらえます。

こんなときは専門家に相談を

次のような様子があるときは、生活の工夫だけで抱え込まず、早めに医師やケアマネジャーに相談してください。大きないびきや、寝ている間に呼吸が止まっているように見える/急に夜間の混乱や落ち着かなさが強くなった/日中もぼんやりして元気がなく、食欲が落ちている/介護する家族自身が眠れない・気分が落ち込む状態が続いている、といった場合です。

ケアマネからのメッセージ

親御さんの睡眠を整えることは大切ですが、それと同じくらい、支えるあなた自身が眠れているかも大切です。介護は一人で抱えるものではありません。使える制度やサービス、頼れる専門家は必ずあります。どうか、あなたの眠りも後回しにしないでください。介護保険の使い方から知りたい方は、別記事「介護保険の申請の流れ」もあわせてご覧ください。

まとめ

夜間に何度も起きる原因は、加齢・頻尿・痛み・不安・認知症・薬など複数が重なることが多いもの。まずは光・活動・昼寝・水分・寝室環境・痛みケア・見守りの7つを、できることから試してみましょう。薬の影響が疑われるときは自己判断せず医師・薬剤師へ。家族が限界のときはショートステイやレスパイトを活用し、あなた自身の休息も確保してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。お薬や症状の判断は、必ず主治医・薬剤師・担当ケアマネジャーにご相談ください。

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