この記事でわかること
- 認知症の親が夜間に外へ出てしまう理由
- 家庭でできる対策と、安心できる声かけ
- 地域で使える見守りの支援

夜、気づいたら親が外に出ようとしていた——認知症のある方の夜間の外出(いわゆる徘徊)は、ご家族にとって事故や行方不明の心配がつきまとう、とても不安なことです。
ただ、ご本人にとっては「家に帰ろう」「用事がある」といった理由があることも多く、頭ごなしに止めると逆に不安を強めてしまいます。ケアマネジャーの視点から、夜間の外出が起こる理由と、家庭でできる工夫、見守りを助ける方法、地域で使える支援を整理します。
なぜ夜間に外に出てしまうのか
背景には、昼夜のリズムの乱れ、日中の運動不足、不安や落ち着かなさ、時間や場所の見当がつきにくくなること(見当識障害)などがあります。「昔の家に帰ろうとする」「仕事に行こうとする」など、本人なりの目的があることも少なくありません。原因を理解すると、対策の方向性が見えてきます。
まず家庭でできる対策
① 日中の活動と光を増やす:散歩や日光浴で昼夜のメリハリをつけると、夜に落ち着いて眠りやすくなります。
② 安心できる声かけを:「危ないでしょ」と止めるより、「どうしたの」と気持ちに寄り添うと落ち着くことがあります。
③ 出入り口の工夫:玄関に鈴やセンサーをつけ、出ようとしたら気づける仕組みにする。
④ 持ち物に連絡先を:衣類や靴に名前と連絡先を。外出しても早く保護してもらいやすくなります。
見守り・安全を助ける方法
道具の力を借りると、ご家族の負担と不安を大きく減らせます。代表的なものとして、玄関やベッドから離れたときに知らせる人感・開閉センサー、外出しても居場所を確認できるGPS端末(靴・キーホルダー・小型端末型)、夜間の様子を離れて確認できる見守りカメラ(暗視・通知機能つきが便利)などがあります。ご本人の気持ちに配慮しながら、無理のない形で取り入れましょう。
地域の支援も活用を
多くの市区町村には、認知症の方が行方不明になったときに地域で捜す「SOSネットワーク」や、GPS機器の貸与・購入費助成などの制度があります。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに、使える支援がないか相談してみてください。一人で抱えず、地域ぐるみで見守る仕組みをつくることが、ご家族の安心につながります。
専門家に相談したほうがよいとき
外出の頻度が増えた、行動が急に変わった/興奮や混乱が強く、対応がむずかしい/家族が睡眠不足で疲れきっている——こうしたときは、かかりつけ医や認知症の専門医、ケアマネジャーに早めに相談しましょう。夜間の睡眠そのものに悩んでいる方は、別記事「高齢の親が夜中に何度も起きる原因と対処法」もあわせてご覧ください。
まとめ
夜間の外出には本人なりの理由があります。まずは原因の理解から。日中の活動・安心の声かけ・出入り口の工夫・連絡先の携帯が基本の対策です。人感センサー・GPS・見守りカメラで負担と不安を減らし、SOSネットワークや助成など地域の支援も活用して、一人で抱えないでください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。対応に迷うときは、かかりつけ医・専門医・ケアマネジャーにご相談ください。
